食の観点から日本の多様性を思う②

株式会社ヒキダシのCEO岡田慶子です。


ベジタリアンを25年以上続けてきているが
当初の15年以上は、身近な人以外には非公開だったという話の続き。


当時は(今も)、食生活が周囲の人とは
ちょっと違うことを選択しているだけで
いたって「普通」の人間だと思っていたので

「なんで?」「変わってる」「聞いたことがない」

「それって何にいいの?」「痩せる?」「栄養失調になるんじゃないの?」

「変な宗教?」「体に悪いよ」などなど

興味とともに心配してくれるからこその反応とはわかっていても

それを理由にした「規格外」のようなレッテルや

「理解不能」的な反応はとにかく受け入れ難く

私は言わずにいるという選択をしていました。


特に、人と過ごす時間の充足感は
私にとってなにものにも代え難きことというのは
当時も今も変わらず
それが故に「それじゃあ食事は一緒にできないね」とか
「(一緒に食べないなんて)付き合い悪いね」と言われることは

辛いことだったからです。


もう一つの理由は、気を遣わせてしまうことがいやだったから。

私は、お寿司屋でも、焼肉屋でも行く。

ただ、魚肉は食べないだけ。


例えば、私にとって美味しいかっぱ巻きや椎茸握り

カリフォルニアロールや太巻きを食べていることが

連れの方にとっては「そんなもの」を寿司屋で食べさせて

自分たちだけ美味しいものを食べて悪いよ、と思うらしく

食事中に「大丈夫?「つきあわせて悪いね」と言う。

そうじゃないのに。


こんな気を遣わせているのが申し訳ないし

こういうことに気を揉むこちらもモヤモヤしてくるから。



ちなみに近しい友人たちは
当初私の志向の変化に驚きつつも
気兼ねなく一緒に行けるレストランを選んでくれ
今でも一緒に食事を楽しんでいるけれど

当時、お客様との会食などでは

私が中心の場でもないのに指向を主張することは憚られ

メニュー選びや取り分けに苦慮しつつやり過ごしていました。


アメリカではマドンナやマイケルジャクソンが

マクロビオティックを始めていると耳にしていたものの

周囲にはベジタリアンもいなければ
マクロビオティックをしている人もおらず
まだまだ好奇な目で見られていた感のある頃でした。


ところが今は、公開している。

きっかけは2つありました。

1つは、ベジタリアンであることへの周囲の反応に

変化を感じられたということ。


マクロビオティックの波や、健康志向の流れもあってか

ベジタリアンと知り合うことが、少しずつながら出てきたこと、

「ベジタリアンだ」というと「え?なに、それ?」という

どちらかというとネガティブな反応だったのが

「いいですね」「できたら自分もそうしたいんですよね」という

ポジティブなものに変化してきたこと。


周囲を見れば、ベジタリアン対応のお店は

オープンして2年も持たずして閉店することが多かったにもかかわらず

このころからお店が一部ながら定着してきており

社会の認知を得始めているような気がどこかでし始めていたこと。

(このあたりは後付けの理由だけど)


これなら言っても大丈夫かな?と思えてきた。

※このころから、急速にベジ友(ベジタリアン友だち)がたくさんできた。


もう一つの理由が、社長という立場になって

私が主役となる会食の機会ができ

こちらでお店のアレンジをする限界がきたということ。



こんな流れだったので、15年経って公開した時には

予想通りに驚く人が多々いながら

それはどういうことか、どう対応したらいいのか一生懸命考えてくれる人がいて

とても嬉しくありがたかったし

(いい意味で)何度話しても忘れてしまう人がいるくらい

まだ少し、珍しめの指向ではあったかもしれないけれど

受け入れてもらえたと思っています。



そして2016年の今。

食事に行くときには、ほぼほぼ先に、自分がベジタリアンであることを伝える。

お店選びはかって出て、一緒に食事はできるものだと思ってもらえるお店を選ぶ。


「ベジタリアンだから誘いづらい」という人は相変わらずいるけれど

一緒に食事に行って、その人が思うほど違和感がないとわかると

以降は気にしないで(気にしないようにして)いてくれる。


それでもこれが理由でご一緒できない人がいるならば

私の指向が合わない人だから仕方がないと思えるようになっている。





今でこそ、ベジタリアンの認知はちょっと上がった。

ベジタリアンにも何を食べる、食べないなどいろんな種類があるということまで

知られるようになってきた。

また、健康や美容への関心から

マクロビオティックという考え方、食事が広まってきたことや

アレルギー体質、成人病など食事制限が必要な人が増えてきた。




それに応じて、社会の対応も変化してきたことをとても感じる。

一言で言えば「みんな同じ食事をとるものだ」という概念が崩れたということ。

いろんな背景があって、人は違うのだということ。


ちょっと大げさに話を広げると

食以外においても、転職や結婚は一度が普通という概念

お金を得れば幸せになれるという概念

異性愛が普通であるという概念

こういったことも、少しずつではあるが社会での話題になり

「それもあり」となっていると感じる。



ベジタリアンを始めた25年以上前には感じられなかった「それもあり」が

ベジタリアンとしての生きやすさの変化をとおして感じている。




紫乃さん:長くなっちゃったねー、っていうかカミングアウトするまで長かったのよ、こんなおしゃべりな私でも(笑)

「声なき声」に耳を傾けられるようでありたいと思う原点かもしれないわ


株式会社ヒキダシ 代表取締役のブログ

個人と企業の潜在力を心底信じて引き出して、社会と有機的に繋ぐためにそっと背中を押す 「株式会社ヒキダシ」の代表取締役CEO岡田慶子とCOO木下紫乃が綴るブログ。

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