大人の遠足に行ってきました。


大変ご無沙汰しております。ヒキダシ代表取締役あらためCHO=Chief HIKIDASHI Officer(チーフヒキダシオフィサー)の木下です。代表が2人いることに甘んじ、女将の慶子さんにブログはしばらく任せっぱなしでした。


そんな私たちは8月19、20日の1泊で、ヒキダシ主催「そろそろ自分のための夏休みを過ごしませんか?〜山梨芦川の農家体験民宿ですごす大人の合宿」というイベントを企画しました。


周りにちょっとお疲れモードやモヤモヤモードな人が多かったので「大人同志で一緒に遠足にいかない?家族のためじゃくて自分のために夏休みをとらない?」とそそのかしたくて立てた企画でした。今日はその報告。



山梨県笛吹市芦川村。

http://ashigawa.jp/ashigawa.html

ほとんどの皆さんはご存知ないでしょう。 新宿から2時間、山梨の奥にある数百人が暮らす限界集落の村です。限界集落とは人口の過半数が65歳以上である集落のこと。


私はこの村を過去に何度か訪ねています。7〜8年前からここで農業体験学習を都会の人へ提供する団体を起ち上げたグループとひょんなことで知り合い、何度か来るようになりました。


その団体を運営するのは東京や他の地域から農業をやるために移住した若い方達、その方たちから農業に取り組む姿勢や、移住してきた思いなどを伺い、とても感銘を受け、当時企業研修の設計をしていた私は、この場所で東京の企業に勤める人たちと学び合いができる場にできないかと思い数回通いました。でもそういった仕事でのキッカケもあるけれど、何だか1度来てから心惹かれるようになり、田植えや稲刈りなど、口実をつけ遊びにきていました。

夜は明かりがないので満天の星空。初夏には蛍も飛ぶ。様々な新鮮な野菜や米がとれ、そして携帯の電波も届かない場所。

折しも、知人で、芦川村でも何度かご一緒し、村が気に入って東京から移住したご夫妻が、この7月から「農家体験民宿アシガワ・デ・クラッソ」を始めると聞き「あ、あそこなら『大人の遠足』にぴったりだ!」と思い企画をしました。


広い古民家が宿になっているので、当初は10名程度の30代〜50代に参加してもらえればと思っていたのだけど、結局参加してくれたのは20代の男女2名っきり。


みんな忙しいし、名物もない未踏の地へ行こうという物好きはそれほど多くない 笑。

でも我々4人と宿の夫妻、地元メンバー3名、彼らの子どもたち2名の9名で、夜はなかなかに楽しい時間でした。



地元メンバー、

7年前移住してきた薫ちゃんは、滋賀で建築の外構の仕事をしていたけれど芸術家で芦川に何度か行ったことのある兄の話しを聞いて、居ても立ってもいられず、下見もしないで30代半ばで芦川にやってきた女子。


一度も事前にその場所へ行かないで移住を決めることにためらいはなかったかと聞いたけれど「どうせ私は何度見たって決められないから」とカラカラと笑う。今では様々な野菜をつくっていて、その日も色とりどりのトマトと万願寺とうがらしを持ってきてくれました。

もう一人は、都内有名大学に通っていたのだけど、その卒業直前にモンゴルに行った折に、様々な物を自給自足する現地人を目の当たりにし、自分は自分が食べるものも作れないことに愕然とし、農業の道を選んだ川部君と、川部君と一緒に来たパートナーの恵子さん。彼女も保育士の仕事をしていたのに、彼と一緒に横浜からこっちにやってきて芦川村で結婚しました。



限界集落で農業を続けること。

都会に住む者には理解できない困難が山積していることは想像に難くない。その中で地元に根を下ろす、家族を築く、生業を続ける…それがどんなことなのか日々何を考えているのか…。一升瓶でワインを飲みながらそんな話で夜が更けました。


東京から参加した若いメンバー達は会社勤めを始め、様々な葛藤や疑問を抱える日々。今丁度それぞれ違った形で節目を迎え、新しい選択をとろうと考えている二人。


夜中地元のメンバーが帰り、民宿のオーナーも休み、我々4人で修学旅行のように話す夜更けに若者の一人がポツリと言いったのです。


「今を生きることって大事ですよね」



過去の呪縛や将来の不安に縛られずに「今を生きる」ことの大事さ。目の前にあるひとつひとつの選択を “自分のものさし” でしていくことの大事さ。

芦川で暮らす人達から、働き方や生き方、暮らし方について聞き話す中で行き着いた言葉みたい。


世代が若ければ、就職や恋愛、婚活、妊活…。もっと上の世代であれば、失業、定年、貧困老人…等々。「◯◯をやっていないと幸せになれない」「XXXはみんなやってるからやってないとヤバイ」等々、脅し文句は世の中に無数にあふれている。


本来極めて個人的なものである人生における選択が、消費経済の対象にされ、様々なマーケティング的装飾語に彩られる。その不自然さに気付きながらも、人から遅れること、人と違っていることが奇異な目で見られることの恐怖心も同時に煽られるので、そのサイクルから抜け出ることが難しい。


彼が笑いながら続けて言ったのです。


「何かを決めるときに周りと合わなければ、自分を変えるんじゃなくて、環境を変えればいいんですね。今日会った人はみんなアウトローで、自分の考えていることが普通に思えたし、背中を押してもらえた」


自分の考え方を無理やり人に合わせて自分にフィットしない方向に変えるのではなくて、自分の考えで選択している人に会えばいい。

世界は広い。


単一の軸で差異で比較され、評価される社会やコミュニティーでは、「自分であること」「今を選ぶこと」の必要性がないし、むしろそんなことをする人たちは疎まれる。

でも、自分の外周円を2つくらい超えると、「自分」で「今」を生きている人は結構たくさんいる。


余談だけれど今井美樹の「PRIDE」という歌がずっと人気を、特に女性に人気があるのは「『私』は『今』〜♪」という歌詞で始まるからだと言われています。私という自分が、今どう感じるか、が重要だと許されているのです。


自分を生きられるのは「自分」しかおらず、人は「今」しか生きられない。


いざという選択の時に自分の心と身体の声を聞ける状態にあるか?

そのためには日々という「今」の選択でそのような選択の訓練をしているかは大事だし、それを支援してくれる仲間が周りにいることも大事。支援してくれる、というのはすなわち、自身がそのような生き方をしているということでしょう。「今」を「自分」で生きている人たちどうしで一緒に進んでいければいい。



そんなことを大人も若者も言葉でなく、身体で感じた2日でした。

また色んな人と行きたいな。


秋も計画しようかな…

どう思う慶子さん?


-------------------
※告知
8月25日(金)にDNPプラザ(新宿区)にて
「人生100年時代に考える仕事とのつきあいかた」をテーマにしたセミナーを開催
人生100年時代と言われる昨今。
会社員が60歳で定年し、後は余生でのんびり
という働き方モデルは過去のものになりつつあります。
70歳、いや、それ以上まで働く必要がある、働きたいと考える人にとって
今の仕事は続けていきたいものですか?
働き続けたい会社ですか?
あなたの居場所は、そこにありますか?
会社の都合や、会社の求めるものに自分を合わせてきたあなた。
自分の居場所ややりがいを、会社やその他希望するどこかで持つために
今から考え、準備することは何か。
明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授である野田稔さんとともに考えます。
お席のご準備間に合います。どうぞお気軽にご参加ください。

株式会社ヒキダシ 代表取締役のブログ

個人と企業の潜在力を心底信じて引き出して、社会と有機的に繋ぐためにそっと背中を押す 「株式会社ヒキダシ」の代表取締役CEO岡田慶子とCOO木下紫乃が綴るブログ。

0コメント

  • 1000 / 1000